どうも、こぐまです(・ω・)ノ

何年も前から見よう見ようと思っていて、それでも躊躇
していた映画、グリーン・インフェルノを観ました。

これは80年代のイタリア映画、食人族のリメイク?というか
それをモチーフにしている作品ですが、この食人族もビデオ
レンタル店で度々目にしていましたが、パッケージ裏の映像が
怖すぎて見れなかった作品です。

まぁ昔の映画ってあるいみチープで、そのチープさが逆に
恐怖を誘うようなイメージですし、イタリア映画って手加減
抜きで怖いイメージもあるので手が伸びませんでした。

なので原作の食人族を見ていないですから、今回のグリーン・
インフェルノと比べる事は出来ませんが、今回の映画はただ
食人族の残虐映画という訳ではなく、理想主義や常識を押しつけ
たがる人々、環境活動家など様々活動家などへのアンチテーゼ
となっているのが面白かったです。

高級フレンチを食べながら社会の不平等に嘆く人々

まず面白かったのが主人公のジャスティンとルームメイト?
のケイシーの対比でしょうか。

主人公のジャスティンは親が国連の弁護士という社会的に
恵まれている立場で、デモなどの活動家の活動に興味を
持っているような印象で、その影響でハンスト(ハンガー・
ストライキ)実行中です。

対してケイシーは現実主義というよりは、生きる為、生活
する為の当たり前をしっかり認識しています。
なのでその活動家のデモを、おバカなボンボンたちのサークル、
偽善者、自己満足とバッサリ切り捨てます。

ハンストしている連中の前で、ベーグルを食べる姿は清々しい
ですが、映画の見せ方としては主人公のジャスティンを社会を
憂う善人として、そしてケイシーを自堕落な若者として見せて
いる所が面白いです。

そしてハンストをしているはずのジャスティンですが、大学の
講義で発展途上国の残酷な風習を目にして、国連の関係者である
父親に野蛮な風習を止めさせられないのか?と話あう訳ですが…
その話合いの場が高級なレストランでステーキを食べながらワイン
片手に社会正義を語るわけです。

ハンストどうした?って言いたくなる光景ですが、世の活動家
のイメージってこんな感じですよね、ファッション活動家と
言えばいいのか高級フレンチを食べながら、「なんで世の中って
こんなに不平等なんだろう?」って嘆くあれです。

活動家は暴力的

上述の講義で自分の父親が国連関係者とばらしてしまった
ジャスティンに活動家が近づいてくる訳ですが、まんまと
社会活動に参加する事になります。

正直私は現実から目を背けて、理想ばかりを声高に語るやつ
には警戒感しか湧きませんが、ジャスティンは社会を憂う
若者ですからコロッと丸め込まれてしまいます。
現実の世の中でも平和を叫ぶ人間程、暴力的で力でもって
自身の要求を通そうとする活動家は少なくないですが、
この映画でも同様で、開発の為に森林伐採をしている
所に乗り込んで、自身の体を木やブルドーザーに括りつけて
開発を止めさせようとする活動の計画をします。

ジャスティンは社会正義にのめり込んでいるので冷静な
判断力を失っていると思われますが、上記の自堕落な
若者と表現されている、友人のケイシーは非常に冷静で
ジャスティンをクレイジーだと諫めます。

まぁそれも当然でアメリカ国内じゃなくてペルーの
軍隊と共同で開発している企業の森林伐採を強引に止めようと
いう訳ですから、殺される確率は非常に高く、ケイシーは
殺されて埋められるわよと本気で心配してくれます。

ジャスティンはその忠告を軽く聞き流し非暴力だから大丈夫
なんて言いますが、強制的に企業の開発を妨害するのは
まさしく暴力でしょう。
ケイシーはジャスティンの父親には社会的強者で裕福な
人間なのであまり好感を持っていないようですが、お父さんに
相談したほうが良いと忠告する辺り、非常に冷静です。

結局友人の制止も振り切りペルーに行ってしまうジャスティン
ですが、その活動は予想どうりで爆発まで起こす非常に暴力的
なものになります。
しかもジャスティンの国連関係者という立場を活動家リーダーの
アレハンドロに利用され殺される寸前まで行きました。

まぁ予想できた事ですがアレハンドロの売名の為に現地での
盾としてジャスティンを利用していた訳です。
活動家なんてやって社会正義を語っていても死にたくはない
ですからね、その為の保険がジャスティンという訳です。

このアレハンドロが現地のコーディネーターとして紹介
してきたカルロスも現地のヤクの売人で、ペルーについて
からは活動に参加した学生も不穏な空気に気が付いてきます。

残虐描写はけっこう容赦なかった

上述の内容は映画のテーマの一つですが、これは一応ホラー
映画ですので本番はここから始まります。

活動を終えて帰りのプロペラ機で自身の活動がSNSや
ニュースサイトを賑わせて喜んでいる所からようやく
ホラー開始ですね。

ここでプロペラ機が墜落するのですが、それにも一応
ちゃんと訳があります。
この映画では食人族をモチーフとしたスプラッター映画
ですが、その辺りの理由付けもしっかりしているので
映画としても説得力があると言えるでしょう。

上記の活動はヤクの売人とグルだったアレハンドロの
ビジネスだったので対抗する企業がカルロスを殺す
為に仕組んだ事が示唆されています。

そしてプロペラ機が墜落したそばが憐れ食人族の集落の
だったという話ですね。

私自身スプラッター映画はあまり得意じゃないので、結構
肝が冷えましたが、残虐のピークは捕まって最初の犠牲者
が解体させる所でしょう。

解体されるのはジャスティンを活動家グループに誘ってきた
ジョナという男ですが、この男にはそれほど毒はなく真摯に
活動家をやっている節があります。
現実でもそうですが、活動家ってアレハンドロのような上の
もの以外って本気で社会が良くなると思って活動している
のでしょうね、まぁ間違っていると思いますが…

そのジョナですが、生きながら目をくり貫かれて、舌を
切られ、四肢を切断されるのでかなりのグロシーンです。
苦手な方だとキツイと思いますが、同じく苦手の私でも
ギリギリ見る事が出来たのでこの手のスプラッターホラー
としてはまだ刺激が弱い方なのではないでしょうか。

もちろんこれは食人族の映画なので解体されたジョナは
調理されてみんなに食べられてしまう訳ですが、このシーン
で使われるBGMがなにやらほのぼのとした感じの音楽で
特にジョナにたいして悪意なくローカルな風習として
行ったことであると主張しているような印象です。

因みにジョナの焼き加減ですが非常にレアで血が滴る
ような感じだったので、生食が好きな民族なんですかね?
どうぜだったらしっかり焼いたらいいのにって思いますが、
映像的にはそっちのほうがグロいという事でしょうか。

ちなみにこの後も何人か殺されていきますが、直接描写は
ジョナだけで他のメンバーは殺された事が示唆されるだけ
となっています。
翌日の食事としてメンバーの肉が振舞われた時に、それに
気づいた友人は自身の首を切って自殺するというのもあります。

この自殺ですが、現地で仲良くなった友達の肉を食べて
しまったことによる絶望だと思いますが、その自殺した女
自身がビーガン(完全菜食主義者)だと言っていたので、
友達の肉+ビーガンなのに肉を食べてしまったという反動
だと思います。

ちなみになんで友人の肉だと思ったかと言えば、友人は全身
いたるところにタトゥーをしていたので食べ終わったお椀に
タトゥーが入っている皮が残っていたという感じです。
集落の子供たちも体にタトゥーが入った皮を張り付けて
遊んでいる描写もありますし。

因果応報の終わり方と思いきや

結果生き残るのは主人公のジャスティンだけでしかも
自分たちが森林伐採の開発を妨害した軍に助けられますが、
ここでジャスティンが嘘をつきます。

一応食人族の集落にはまだ活動家リーダーのアレハンドロが
生きていますが、生き残りは私だけと言ってアレハンドロを
見捨てる訳です。

この辺りのやり取りはちょっと理解しずらい部分で予想と
明確な描写がないのが残念な所。
まぁ生き残りが居ると言えばアレハンドロが生存してしまい
ますから理解はできます、正直死んでほしいやつなのは観てる
私も同様ですからね。

ただ助けられた後の本国での聴取で食人族なんて居なかった、
現地住民に助けられたから私は生存できた、みたいな証言を
しているのは謎でした。

ジャスティンは大学の講義でローカルの残酷な風習を力で止めさせる
べきとの考え方を持っていたので、食人という先進国の常識とは
真逆の価値観を見せられて、「ヤベーやつらが居た!」って証言しても
よさそうなものですが、アレハンドロを見捨てたのがバレるのを
嫌ったという事なのかもしれません。

一応夢でアレハンドロが無事助かったよ、とジャスティンに
合いに来るシーンで飛び起きるという演出もありますので、
見殺しにしたのをバレたくなかったというのが実際の心境
なのかもしれません。

この辺りでアレハンドロの解体ショーでも始まるかと思いましたが、
因果応報とはならずこの映画に続編計画もあったようですから
衛星写真でアレハンドロが現地住民の恰好をして生きているのが
示唆されていました。

まとめ

映画としてはメッセージ性があって結構面白かったです。

まぁ私はグロ映画が苦手な方がなのでこの程度でも十分
ですが、グロシーンを求めてこの映画を見ると肩透かしを
食らうかもしれません。

グロシーンは現地人に捕まって解体されたジョナがピークで
それ以外には殆ど直接描写はありませんからグロが苦手な
方でもギリギリ視聴可能だと思います。

そもそも悪意を持って解体している訳じゃないので純粋な
ホラー映画と違って意外にも恐怖シーンじゃないのが驚き
だったという感じです。
そういう意味から普通のホラー映画の方が遥かに怖いと
思います。

なので映画としては内容のある映画なので面白いですが、
ホラーとしてはあまり評価されない映画なんじゃないで
しょうか。

それでは、次の記事で(・ω・)ノ

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