どうも、こぐまです(´・ω・`)

遅まきながらロープ 戦場の生命線(原題A Perfect Day)観てきました。
まあ観に行ったのも遅かったですが、日本公開も大分遅かった映画ですね。
2015年の映画ですが、日本では18年2月10日と大凡3年前の映画ですから、
まあ需要と供給の関係でしょうか、一般受けする作品でないと言う事でしょう。

あらすじ
1995年、停戦後間もないバルカン半島。マンブルゥ(ベニチオ・デル・トロ)が所属する「国境なき水と衛生管理団」は、井戸に死体が投げ込まれ、水が使えなくなってしまった村に赴く。死体の引き上げようとするがロープが切れてしまい、マンブルゥはビー(ティム・ロビンス)、ソフィー(メラニー・ティエリー)、通訳と危険地帯に新たなロープを探しに行く。やがてマンブルゥの元恋人カティヤ(オルガ・キュリレンコ)と合流し、ニコラという少年が住んでいた家に向かうが……。

映画として

この映画はジャンルとしてはコメディ映画となっているんですが、
私が見慣れているアメリカ映画のコメディや日本のコメディとは、まったく
違う映画と言えるでしょう。
制作国であるスペインの映画の事はあまり知らないですが、スペインでは
こういう映画がコメディとして受け入れられるんですかね。

この映画を観に行こうと決めたときは劇場の予告篇を見たからですから、
その時この映画のジャンルがコメディとは気がつきませんでした。
ただ一応笑いどころはソコソコ用意されています。ただ単純に
笑えるシーンと笑わそうとしているんだろうと予測できるシーンが
ありますが、題材がユーゴスラビア紛争の停戦直後という設定なので
笑えるはずのシーンなのに笑いずらいと言うか、直後になにか起こりそうな
危険な雰囲気と隣り合わせの感じが出ていて安心できません。
ジャンルとしてはコメディですが、社会派コメディという感じでしょうか、
映画を観る前はコメディとはいえ題材が題材なので、残虐シーンとか出てくる
んだろうな~と予測していましたが、そういうシーンは全く出てきませんでした、
ただ、その後残酷な事が起こるんだろうとか、過去の出来事を想像させるような
シーンは数多くあります。ただ映像としては目を覆うようなシーンはほぼ
出てこないので、やたらと想像力を刺激される映画でした。

スローテンポな内容ですが

映画の目的はタイトルにあるように、井戸に落ちた遺体を引き上げる為の
ロープを見つける事だけですから、スローテンポというのもしょうがないですね、
一向に話が進まんなと思うシーンも多いです。

映画の目的がロープの発見にあるので、というか あらすじだけで殆ど
映画の内容が説明できるレベルなのでスローな映画進行も当然なのでしょう。
ただこの映画原作があって原作者のパウラ・ファリアスも国境なき医師団に
所属しているという事なので、戦地での援助活動の進まない現実を
表現しているのでしょう。

コメディとシリアスのバランスが凄い

全編通してゆるい雰囲気で物語は進んでいきますが、時折入るコメディ
パートとその直後に入るシリアスが、映画に物凄い緊張感を醸し出して
います。戦場だからこそ直面する様々な事態にコメディ的に解決して
しまう時もあれば、そう出来ない時もあります。

特に映画冒頭で国際援助活動家「国境なき水と衛生管理団」の
サブリーダー的存在であるビーが、リーダーのマンブルゥと車で
合流するとき、道端に牛の死体が転がっている状況に直面しますが、
映画冒頭という事もあり、そのシーンではコメディ全開で解決します。
要は停戦直後という事もあり戦時中のトラップがそこらじゅうに、
転がっているという話を新人のソフィーに教えて、牛の死体の周りには
大概地雷は埋まっているって話です。
ビーは牛の上を車で強引に走って行ってソフィーからクレイジー認定を
受けてしまいますが、物語が進んで同じような状況に直面します。
道端に牛が転がっているっていう同じような状況ですが、今度は
そう簡単には解決しません、映画冒頭のシーンを覚えてるだけに
伏線が効いてきますね。
冒頭のシーンはビーがベテランだったので回避できたトラップだったと
ここで解るようになってます、強引でクレイジーに見えて実はもっとも
正しい選択だったと。
このビーがコメディパートではメインで活躍しますが、時折
シリアスとコメディが同居したようなシーンなんかもあって
死と隣り合わせなんで笑えないのに何故か可笑しいシーンもあります。

このシーンは凄い緊張感でしたね、現地の兵士が通行止めをしていましたが、
ビーは果敢にも通訳を通じてアメリカンジョークで兵士を笑わせにかかります。
マンブルゥも運転をソフィーに代わり交渉の場に出ていき、両手を頭の後ろに
置いたら車で逃げろと伝えてくる、笑いと緊張感が同居した素晴らしいシーン
です、これは是非劇場で確認してほしいですね。

まとめ

映画好きなら多少スローテンポで中弛みのある映画ですが、
観ても損はしないのではないでしょうか。

手放しで絶賛、面白いと評価できる映画でないので、万人向きでは
ないんでしょうけど、私は面白かったですし残虐シーンがないので
人にも勧めやすいです。

また一行のリーダーであるマンブルゥ役のベニチオ・デル・トロの
演技は秀逸でした、ロープ探しで新人ソフィーを気遣い掛ける言葉が
忘れられませんね。
現地少年のニコラとの交流も映画の根幹となるメッセージが詰まっていて
最後まで魅せてくれる事でしょう。
映画の目的であるロープ探しで彼らが何を見たのか、そして苦労して
手に入れたロープで井戸の浄化が出来るのか是非とも自分の目で
確認して貰いたいです。
映画の終わり方も皮肉が効いていて良かったです。

それでは、次の記事で(´・ω・`)

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