どうも、こぐまです(´・ω・`)

孤狼の血観てきました、所謂ヤクザ映画、バイオレンス映画という
ジャンルになるかと思いますが、映画だけあって描写は原作より
過激になった印象でした。
公開前から予告編で北野武監督のアウトレイジを意識したような
宣伝だったので、それもやむなしと言った所でしょうが、原作の
映像化という所で、その再現を期待していた身としては若干の
不満は残りました、しかしヤクザ映画としては及第点といった所では
ないでしょうか。

あらすじ
昭和63年、広島の呉原では暴力団組織が街を牛耳り、新勢力である広島の巨大組織五十子会系「加古村組」と地元の「尾谷組」がにらみ合っていた。ある日、加古村組の関連企業の社員が行方不明になる。ベテラン刑事の刑事二課主任・大上章吾(役所広司)巡査部長は、そこに殺人事件の匂いをかぎ取り、新米の日岡秀一(松坂桃李)巡査と共に捜査に乗り出す。

予測どうりだったが、それが不満

孤狼の血公開前に原作を読んでしまったのが災いしたのでしょう。
映画単体として評価すると悪くないと呼べる映画ですが、原作を
知ってしまったが故、比べてしまうのも仕方なしと言う所です。
公開前に観た予告篇が素晴らしい出来だったので、つい原作を方を
我慢しきれずに手に取ってしまいました。
原作を読んだが為の不安と言うのを以前の書いたのですが、
「孤狼の血 原作が良すぎて映画が心配」
その不安が的中してしまったようです。
物語の重要な役目を担っていた、小料理や志乃の女将晶子が
登場しない事は映画公式サイトから解ってはいましたが、
やはりここだけはどうしても登場させておいて欲しかった
所です。
そして予測が悪い意味で的中してしまったのが、真木ようこさん
演じるクラブ梨子ママ、高木里佳子が原作の晶子の役割をこなす
ようになっています。
まあ、限られた上映時間の中で成立させる為には改変は仕方がない
ものですが、アルバイト薬剤師みたいなオリジナルキャラクターを
入れる余裕があるなら、もう少しなんとかして欲しかった所です。
ただ最後にこのアルバイト薬剤師を使った仕掛けが用意してあった
ので、監督が独自の味を出したかったと言う所ではないでしょうか。

全体的に薄くなっている印象

ここから若干ネタバレを含みます

正直な所、役者に関して言うなら完璧だったと言えるでしょう。
大上役の役所広司さんの演技は予告編どうり圧巻でしたし、
原作のイメージにもあっていたので文句なしと言えます。
同じく主演の松坂桃李さんも原作のイメージを壊すことない
素晴らしい演技でした。
しかし、これも晶子を出さなかった弊害か、主演二人が
思惑がありながらも信頼できる人間となっていく予定が
映画の中からその様子が伝わってこなかったのが痛い所でしょう。
物語後半で、大上の遺体が発見された時のショックを受けた日岡の
心情が理解しがたい物になってしまっています。
原作では物語の最後で日岡が大上のヤクザとの癒着や不正捜査を
暴くためのスパイであった事が解りますが、映画では序盤で
スパイである事が解ってしまうので、終始大上に反発し逮捕しようと
動いているので、終盤になぜ大上に肩入れする…?ってなってしまう
訳です。
日岡が大上に感銘を受けるような描写も無い為非常に違和感を
覚えてしまうシーンでしたね。
もうひとつ残念だった事と言えば、映画を観る限り大上がただの
悪徳刑事に見える所が残念だった所でしょう。
映画でも大上はカタギの為だけに動いていたと伝えられますが、
映像からそんな描写がまったく無いので、これも説得力に欠ける
点だと言えるでしょうね。
その他原作からの改変は多岐に渡りますが、枝葉を幾ら変えてもいいの
ですが、根本となる部分は忠実に再現して欲しかった所です。

まとめ

白石 和彌監督作品は今回で3本目ですが、映画を観る前に原作を
読んだのは2度目となります、もう一つは凶悪という映画になりますが、
その時も今回とまったく同じ印象を持ちました。
大事な部分を映像化せず、要らんオリジナル要素を入れてくるという
のが前回も今回も感じた印象でしょう。
しかし、映像なだけあって原作にはない過激な描写が出てきたりする
のは映画ならではです。
改変部分ではありますが事件の現場が養豚業者となった為、かなり
エキセントリックな拷問が登場します。あれは寒気がするというか
悍ましいというか、あんな死に方だけはしたくないなという映像なんで
注意が必要でしょう。
この孤狼の血原作の方では続編が出ています、凶犬の眼というタイトル
ですが、文句なく面白かったので、ぜひこちらも映像化をと言いたい
所です。

しかし、今回の映画の続編として映像化するのは難しい所でしょう。
なぜなら終わり方もオリジナル要素が強くなっているので、仮に
続編を作るとしても別物となってしまうでしょうから、その時は
別の名前でやって欲しい所です。

それでは、次の記事で(´・ω・`)

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